ペットシッターの訪問採算:最低訪問料金と実質時給の考え方
訪問料金が同じでも、往復移動・準備・報告・初回対応にかかる時間と費用によって、1時間あたりに残る金額は大きく変わります。
このページでは、その計算の考え方をまとめます。示すのは「あなたが設定した条件なら、数字はこうなる」という計算で、業界の相場や適正価格ではありません。
実質時給とは
実質時給は、訪問料金から訪問直接費(交通・駐車など)を引き、お世話時間だけでなく往復移動・準備・報告まで含めた拘束時間で割った値です。
実質時給 =(現在の訪問料金 − 訪問直接費)÷ 通常訪問総拘束時間(時間)
初回対応のコスト・固定費・税金は含めません。これらを含めた採算は、必要原価・利益込み最低訪問料金・事業余剰(値付け判断用)で確認します。実質時給は「手取り時給」や「利益」とは別のものです。
往復移動時間は、実質時給にどれくらい影響する?
訪問料金4,000円・お世話時間60分・準備・報告等の時間0分・訪問直接費500円・希望時給3,000円のとき、往復移動時間だけを変えると次のようになります(計算例)。
| 往復移動時間 | 通常訪問総拘束時間 | 実質時給 | 報酬確保ライン | 報酬確保ラインとの差 |
|---|---|---|---|---|
| 15分 | 75分(1時間15分) | 2,800円/時 | 4,250円 | −250円 |
| 30分 | 90分(1時間30分) | 2,333円/時 | 5,000円 | −1,000円 |
| 60分 | 120分(2時間) | 1,750円/時 | 6,500円 | −2,500円 |
| 90分 | 150分(2時間30分) | 1,400円/時 | 8,000円 | −4,000円 |
移動時間を料金に含めるかどうかを、このサイトが判定することはありません。移動を含めた拘束時間で計算すると数字がどう変わるかを、ご自身の条件で確かめてください。
報酬確保ラインと利益込み最低訪問料金の違い
- 報酬確保ライン:希望時給と通常訪問の直接費を確保するために必要な訪問料金です(通常訪問オーナー労働相当額 + 訪問直接費)。固定費・目標事業利益・初回対応の未回収コストは含めません。
- 利益込み最低訪問料金:必要原価(オーナー労働相当額・訪問直接費・固定費配賦・初回コスト配賦の合計)から、目標事業利益率を確保できるように割り戻した料金です(必要原価 ÷(1 − 目標事業利益率))。
目標事業利益率は売上高に対する比率です。必要原価8,000円・目標事業利益率20%なら 8,000 ÷ 0.8 = 10,000円で、原価に上乗せする 8,000 × 1.2 = 9,600円とは異なります。
初回打ち合わせ・鍵の受け取りと返却の時間はどう扱う?
初回打ち合わせや鍵の受け取り・返却は、通常訪問とは別に、取引開始時を中心に発生する作業です。この計算機では、その時間(対応のための移動時間を含む)を希望時給で金額に換算し、初回対応直接費を加えて「初回対応総コスト」とします。
たとえば初回打ち合わせ60分・鍵受取30分・鍵返却30分(希望時給3,000円なら初回対応労働相当額6,000円)に初回対応直接費1,000円がかかり、初回関連料金として2,000円を別途受け取っている場合、未回収初回コストは6,000円 + 1,000円 − 2,000円 = 5,000円です。5回の訪問で回収する想定なら、1訪問あたりの初回コスト配賦は1,000円になります。初回対応総コスト7,000円の全額を通常訪問へ配賦すると、受け取った初回関連料金の分を二重に回収する計算になるため、この計算機では先に差し引きます。
初回関連料金が初回対応総コストを上回る場合、未回収初回コストは0円とし、差額を通常訪問の料金から差し引く計算はしません。回収回数による違いは ケース計算データ で比較できます。
このサイトが判定しないこと
- 業界の平均料金や「適正価格」は示しません。
- 「この料金で受けるべき」「値上げすべき」などの判定はしません。料金・契約・受注・値上げの最終判断は利用者が行います。
- 税金・社会保険・会計上の利益は計算しません。
- 第一種動物取扱業の登録など、許認可・法令遵守の判定は扱いません。